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【コラム】持久力を高めたいなら!! ランナーならおさえておきたい!【糖質】のとり方

こんにちは☺

Japanマラソンクラブスタッフ・管理栄養士の深野です。

今回からは、ランナーのための食事のとり方について
お話していきたいと思います!

特に、マラソン大会直前に、「そういえばマラソン大会のときって食事をどうやってとればよい??」
とよく質問をいただきます。
もちろん、食べたほうがよいもの、マラソン大会で効果を発揮するための食事のとり方などもあるのですが、
基本的には【普段通りの食事】をベースに、
主食の量を調整したり、食材の選び方を調整したりするのがベスト。

いつもとガラリと変わった食事をとったり、
急に食事のバランスや量を変えてしまうと
胃腸に負担がかかったり、かえって体調を崩すこともあります。

反対にいうと…
練習に取り組む“今”の時期から、【基本の食事】を整えていくことや、
ランナー的食事のとり方を習慣化していくことがとても大切。



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まずはココが大事。
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スポーツ栄養やランナーのための食事
というと、何か変わった食事のとり方や、特殊な方法で栄養補給を行ったほうがよいのでは?
と思われる方も多いかと思いますが…

まず土台になるのは、基本の食事のとり方です。
以前にもお話させていただいたことがあるのですが、
1回の食事の中でまず3つのお皿を揃えるようにすること。

3つのお皿とは…
●主食(ごはんやパン、麺など)
●主菜(肉や魚、卵、大豆・大豆食品)
●副菜/汁もの(野菜・きのこ・イモ・海藻など)


さらに理想を言えば、
3食のうち1~2回(場合によっては3回)
●果物
●牛乳・乳製品

を揃えるように、心がけていきましょう!!

栄養素は体の中でそれぞれバランスをとりながら、
またお互いに協力しながら働きます。
まずは過不足なく、バランスよく栄養素を摂取するためにも、
主食・主菜・副菜/汁もの(+果物、牛乳・乳製品)をとる定食スタイルになるように、
できるだけ食事をとるようにしていきましょう!


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マラソン・ランニングは長時間体を動かし続けるスポーツ!
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食事から少し話はそれますが…
私たちが行っているマラソン・ランニングは、
(当然といえば当然ですが^^;)
“長時間体を動かし続けるスポーツ”です。

長時間体を動かしつづける、ということは、
その分たくさんのエネルギーを消費します。

その方の体格や運動習慣、走るペースなどによっても異なりますが、
消費エネルギーの目安として
ご自身の体重(㎏)×走った距離(㎞)が消費エネルギーの目安となります。



例えば…
体重60㎏の方が10㎞走ったときの消費エネルギーの目安は 600kcal
同じ体重の方がフルマラソン(42.195㎞)を走ると… 約2500kcalものエネルギーを消費します。
(2500kcalは、成人の男性が1日に必要なエネルギー量と同じ!)

ダイエット(体脂肪や体重を減らす)や健康運動のためにランニングを始めた方は、
食事のバランスや、場合によっては食事量を調整して
運動(ランニング等)量を増やして、摂取するエネルギーよりも消費エネルギーを増やしていく、
という方法をとられている方が多いこととと思います。

一方でフルマラソン等のマラソン大会に挑戦するようになったり、
出場する大会で完走したい! もっと速く走れるようになりたい!
といった目標をもって“トレーニングとして”ランニングに取り組むようになってきたら、
消費エネルギー(練習量/体を動かす量)にみあった量の食事をとり、エネルギーを補給していく必要があります。
(特にダイエットがきっかけでランニングをスタートした方は抵抗のある方もいらっしゃると思うのですが💦)


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糖質と脂質…体の中にどれくらい蓄えられている??
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マラソン・ランニングのように
長時間体を動かし続けるとき、
糖質と脂質(体脂肪)はエネルギーとして利用されます。
※長時間の運動になると、たんぱく質もエネルギーとして利用されます。

脂質(体脂肪)は…
体重とあわせて、体脂肪率を測っている方(測ったことのある方)も多いかと思いますが…

男性で10~19%、女性で20~29%が健康的とされる体脂肪率の目安。
例えば体重60㎏、体脂肪率15%の方の場合、体脂肪量は9㎏。
同じ体重で体脂肪率25%の方の場合、体脂肪量は15kg。




体脂肪率1㎏あたり、約7,200kcalのエネルギー量をもつので…

これだけの大量のエネルギーを体の中に蓄えている計算に…!!

先ほどのフルマラソンを1回走るとだいたい2,500kcalを消費する…
とお話しましたが、
体脂肪量が9㎏の方の場合は(計算上)25回(!!)
体脂肪量が15㎏の方の場合は(計算上)43回(?!)
フルマラソンを完走することができるはず…
…実際はそんなことはないのですが^^;

 

一方で、糖質は体の中に蓄えている量は体脂肪に比べるとわずかな量しか蓄えることができません。

筋肉に約300~500g
肝臓に約200g
血液中の血糖にわずかな量で。
だいたい合計で約400~600g。
(運動習慣や筋肉量、食事から日頃摂取する糖質の量などによっても変わってきます。)


糖質は1gあたり約4kcalのエネルギーを持っているので

体に蓄えているエネルギー量は
せいぜい約1600~2400kcal程度。
フルマラソンを1回走れるか・走れないかくらいの量しか
体の中に蓄えることができないんですね💦💦

 

からだの中に大量に蓄えている体脂肪があれば、
フルマラソンを全然余裕で走れるようにみえますが、
糖質が不足してしまうと、体にたくさん蓄えている体脂肪をエネルギーにすることができません。

マラソンにチャレンジするなど、
“トレーニング”としてランニングに取り組むようになったら、
長い時間体を動かし続けるためにまず大切なのは
エネルギー源となる【糖質】を十分に摂取すること。


※糖質を多く含むのは…
・ごはん、パン、麺などの主食
・いも類
・果物
・砂糖・はちみつなど

糖質が不足してしまったり、枯渇してしまうと、
たくさん蓄えている脂肪をエネルギーに変えられないだけでなく
・動きが悪くなる
・集中力の低下
・疲労感のたかまり
など…走りのパフォーマンスが低下に直結します。
(いわゆる、フルマラソンでの30キロの壁、35キロの壁の原因の一つが、糖質の不足や枯渇であると考えられています)

反対に・・・
糖質が不足したり枯渇しないようにできれば、
マラソン・ランニングのような長時間体を動かし続けるスポーツでは
パフォーマンスを高める=持久力が高まる・スタミナがアップする!といえます。


糖質は体に貯めておける量に限りがあるので、
ランニング中に不足しないように、補給するためのポイントがあります。

糖質摂取のポイント!!
▶練習や大会で走る前に“体に貯蓄する”
▶練習や大会中に“補給する”
▶練習や大会中に“節約する”
▶練習や大会後に使った分を“補充する”

次回から、さらに詳しくお話していきたいと思います!




《参考文献》
・鈴木志保子著 理論と実践 スポーツ栄養学(日本文芸社)
・上西一弘著 女子栄養大学のスポーツ栄養教室(女子栄養大学出版部)
・石川三知著 スポーツ選手のための食事400レシピ(学研)
・寺田新著 スポーツ栄養学(東京大学出版部)





(更新日;2023年8月21日(月))


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