【コラム】持久力を高めたいなら!! ランナーならおさえておきたい!【糖質】のとり方② 糖質をからだにしっかり蓄えるためのポイントとは?
こんにちは☺
Japanマラソンクラブスタッフ・管理栄養士の深野です。
前回は、
ランナーならおさえておきたい!【糖質】のとり方①
の中で、持久力アップやスタミナアップのためには
【糖質】をしっかりとっていくことが重要!
というお話をしました!
今回はより具体的にどのようにとっていけばよいのか?
についてお話していきます!
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筋肉と肝臓が【糖質】の貯蔵庫!
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前回のコラムでも少し紹介しましたが、
糖質は、体のなかでは【グリコーゲン】という形で
おもに筋肉や肝臓に貯蔵されます。
その量は、
筋肉量や運動習慣、食習慣・食事のバランスなどによっても異なりますが、
筋肉に約300~500g、肝臓に約100g程度。
糖質を多く蓄えているほど、
エネルギーを持続的に生み出すことができるので、
持久力アップ・スタミナの向上につながるのです^^
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持久力アップを目指す!
【糖質】の貯蔵量UPのためにできることとは?
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■食事から摂取する【糖質】をしっかりとる
食事からとる糖質の割合が多いと、
肝臓や筋肉に蓄えることのできるグリコーゲン量は増えます。
また、糖質をからだに“取り込む力”(特に消化・吸収の能力)も鍛えていくことができます。
※反対に糖質を制限した食事をしていると、糖質を体に取り込む力(消化・吸収)は低下します。
普段糖質をとらない食事をしていて、大会当日に急に糖質をとっても、うまく体のなかで利用できないばかりか
消化不良などの不調の原因にもなってしまうのです💦
エネルギー源となる栄養素は糖質だけではなく、
また他にも必要な栄養素はありますので、
ただやみくもに糖質をとればよい、という話ではありませんが、
練習にみあった必要な量はしっかりとっていく必要があります✊
糖質を多く含む食べものは…
・主食:ごはん・パン・麺(うどん・そば・パスタなど)
・いも:さつまいも、じゃがいも、さといも等
・野菜:かぼちゃ、とうもろこし、れんこん等
・果物:バナナ、ぶどう、りんご、マンゴー等
その他、春雨、餃子やしゅうまいの皮など、ジャム、はちみつ、砂糖など。
■持久的なトレーニングと食事をセットで取り組む!
糖質(グリコーゲン)をしっかりと身体に蓄えていくための
一番強力な刺激は“持久的なトレーニング”
持久的なトレーニングを行うことで、
筋肉に“糖質を取り込む力”が強くなっていきます。
トレーニングを行うことによって、
食事をとって⇒グリコーゲンとして体に蓄えられる量が増えていくのです!
食事をとる⇒トレーニングを行う⇒食事をとる…
この積みかさねで、糖質を効率よく体に蓄えられるようになっていくのです!
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どれくらいの糖質が必要なの??
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では…どれくらいの糖質を摂取すればよいのか?というと…
トレーニング量 | 状況 | 糖質摂取の目安量(1日あたり) |
軽い・少ない | 低強度の運動や技術練習 | 3~5g/体重1㎏あたり |
適度 | 1日1時間程度の適度な運動 | 5~7g/体重1㎏あたり |
多い | 1日に1~3時間程度の中~高強度の持久的な運動 | 6~10g/体重1㎏あたり |
とても多い | 1日に少なくとも4~5時間からそれ以上の中~高強度の運動 | 8~12g/体重1㎏あたり |
※Burke LM,Hawley JA,Wong SH,Jeukendrup AE.Carbohydrates for training and competition.J Sports Scis.2011;29(suppl1):20より作表
例えば…
ごはん1杯(150g)に含まれる糖質量に換算した場合。
1杯あたり…糖質量は53.4g。
例えば、体重60㎏の方の場合、摂取目安となる糖質をすべてごはんで摂取すると仮定した場合…
1日に1時間のジョギングが習慣の場合…
糖質摂取の目安量300~420g⇒ ごはん茶碗で5.5杯~8杯弱
1日に15~25㎞走るようなトレーニングを行っている場合…
糖質摂取の目安量360~600g⇒ ごはん茶碗で6.7~11杯!
これくらいの糖質量が必要、という計算になります。
もちろん、この量はあくまで目安量で
トレーニングの状況や、個人によって調整が必要となりますが、
ひとつの“目安”として参考になるかと思います。
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3回の食事と補食もうまく活用しよう!
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先ほどもちらりとお話しましたが、
スタミナアップや持久力アップのためには【糖質】が大事!
…ただ、糖質だけが必要なのでなく、
糖質・脂質・たんぱく質のバランスも重要です。
まずは、3食の食事の中で、基本の食事をベースにしながら
糖質の補給源となる主食を毎食しっかりとるようにすること。
また、ランニング前後の補食や、
特に長時間・長距離の練習の際は、ランニング中にも
スポーツドリンクや補給食などから
必要な糖質を補うようにしていきます。
次回は、どれくらいの量をとるのか?
またタイミング等についてもお話していきます!
《参考文献》
・鈴木志保子著 理論と実践 スポーツ栄養学(日本文芸社)
・上西一弘著 女子栄養大学のスポーツ栄養教室(女子栄養大学出版部)
・寺田新著 スポーツ栄養学(東京大学出版部)
・下村吉治著 スポーツと健康の栄養学(NAP Limited)
(更新日;2023年8月29日(火))
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