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【コラム】暑い夏を乗り切る!水分補給のコツ!(食事編)

こんにちは☺

Japanマラソンクラブスタッフ・管理栄養士の深野です。

前回は、暑い夏を乗り切るために!
というテーマで
これから迎える暑い夏に向けて
身体を冷やす3つのタイミングと、身体を適切に冷やす方法
をご紹介しました!

今回は、水分補給のコツ!について
食事編・日常編・運動編に分けて、ご紹介していきます☺

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水分の役割とは??
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私たちの身体の約60%は水分、
というのは聞いたことがある方も多いのでは??

もう少し踏み込むと…
生まれたばかりの赤ちゃんは80%、
成人だと男性で60%、女性で55%
歳を重ねると50%ほどになります。

また、筋肉は人間の身体を構成する組織や器官のなかで
もっとも多くの水分を蓄えているのは“筋肉”。
(筋重量の約7割は水分で構成されている、といわれています)

男女差もさることながら、
筋肉量が多い方ほど、身体を構成する水分の割合は多くなり、
筋肉量が少なく、脂肪の割合が多くなると、水分の割合は少なくなります。

ではその水分の役割は?というと…
□体温調整(汗をかく、放熱するなど)
□栄養素や酸素、いらなくなったものを流す・運搬する
□体内の環境を維持する(体液の状態を一定に保つ)

といった役割があります。

どんなものを食べて、
どういった栄養素を補給するか?
という部分に目が向きがちですが、
水分が不足した状態では
そういった栄養素をスムーズにからだの隅々に運搬することもできないし、
水分が不足していたら、エネルギーを生み出す、といった化学反応もスムーズに行われないのです。

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水分が不足するとどうなるの??
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走る前と、走った後の体重を測定して、
体重が減っていると、なんとなく嬉しい気持ち
になる方もいらっしゃるかもしれませんが、
実は運動前後の大きな変化は
汗などで失われたからだの「水分量」の変化です。

運動前と運動後で、
体重の2%以上の減少が見られたら、
運動前~運動中の水分補給を見直す必要があります。

脱水率と諸症状を抜粋してご紹介すると…

▶脱水率と諸症状
《1%》
大量の汗、のどの渇き

《2%》
強い渇き、めまい、吐き気、ぼんやりする、食欲減退、重苦しい、尿量減少
※3%を超えると…汗が出なくなる

《4%》
全身脱力感、動きの鈍り、皮膚の紅潮化、いらいらする、疲労および嗜眠、吐き気、感情の不安定、無関心


さらに体重の6~7%の脱水で手足の震え
10%程度の脱水で呼吸困難など
20%以上の脱水で生命に危険が及ぶ
とされています。

真夏の暑い日に外で2時間程度の運動を行うと、
発汗量は約2リットルにもなるといわれています。
30℃のとき、体重の2%(体重60㎏の人であれば1.2㎏)で、
パフォーマンスが低下する、とも言われています。

ちなみに…
あまりこれまで注目されてこなかった軽度の脱水でも
影響があるのではないか?といわれており、
約0.5~0.6%の脱水で、自律神経機能の低下や、不安感
約0.6~0.7%の脱水で、認知機能の低下
が見られる、という報告も。

ランニング中はもちろん、
日々の日常生活でも、水分が不足しないように
適切な水分補給を心がけたいものです。



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1日に必要な水分量はどれくらい??
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では、1日に必要な水分量はどれくらい??
基本は
摂取量≒出ていく量
となるようにとっていきます。

とりすぎも不足もNG。適切な補給が重要です!

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出ていく量(排出量)
====
・尿 1400ml
・便 100ml
・汗 700ml
・呼気 300ml
《合計》 2500ml

====
摂取量(+産出量)
====
・飲料水 1200ml
・食物の水分 1000ml
・代謝水 300ml
《合計》 2500ml


ハードにトレーニングを行う場合や、
暑い中で大量に汗をかいた場合は、
発汗量がさらにプラスαとなるので、
その分プラスαでの補給が必要になりますが、

日常生活では
飲み物では1200ml(運動して大量に汗をかく場合は+α)
が必要な量になります。

そして、ここで注目すべきは、
1日に摂取したい水分量の約半分は【食事】由来、ということです。

水分補給、というと
当然ですが【飲み物】を思い浮かべる方がほとんどかと思いますが、
実は【食事】も重要な水分補給源となっている、ということなんです!


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食事に含まれる水分って
どれくらい??
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食事からとりたい水分量が1日に約1000ml。
まずベースとして大切なのは、
【3食食べる】ということ!!

そのうえで
1000mlを3回の食事で分けていくと、
1食あたり約300~400gの水分を食事から補給することになります。

では、食べ物に含まれている水分量って
いったいどれくらいあるのでしょうか??

★主食
・食パン(6枚切り)1枚⇒ 約24g
・バターロール 1個⇒ 約9g


・ごはん1膳(150g)⇒ 約90g


・うどん1食(ゆで200g)⇒ 約150g


★メインのおかずとなるたんぱく質源
肉100g⇒ 約70%
魚100g⇒ 約70~80%
卵1個⇒ 約40g
豆腐100g⇒ 約80g
納豆1P(50g)⇒ 約30g

★野菜や果物
野菜100g⇒ 約80~90%
果物100g⇒ 約80~90%

★その他
牛乳コップ1杯(200ml)⇒ 約180g
豆乳コップ1杯(200ml)⇒ 約180g
ヨーグルト1食分(100g)⇒ 約90g
味噌汁1杯⇒ 約180~200g
スープ1杯⇒ 約180~200g

また、焼く・揚げる、といった調理法は水分量が少なくなりますが、
煮る(煮物や汁もの)などは、水分補給、という点からは水分が失われにくい調理法になります。


例えば、
ごはん+味噌汁をベースに、魚料理と野菜の和え物
という組み合わせで約400~450gの水分を食事から補給することができます。

一方で、朝パンのみ、という食事だと
1回の食事で300~400mlという水分補給量の目安に対して
10分の1程度しか水分がとれないので、
栄養バランスとしてはもちろんですが、水分補給、という観点からも
さらに+したいところ。

例えば、
パン+サラダ+スープ+ヨーグルト
といった組み合わせにすると、300~400g近くの水分を補給することができます^^



主食(ごはんやパンなど)+汁物(味噌汁やスープなど)をベースに
✓主菜となるメインのおかず
✓副菜となる野菜などのおかず
✓果物や乳製品(1日1~2回)
といった組み合わせで食事をとるようにすると、
1食300~400gの水分を食事から補給することができるので、
参考にしてみてください^^





このように、
水分補給を考えるときに、
飲み物からの補給や、運動時の補給はもちろん大事で重要なことなのですが、
【食事からも水分を補給している】ことを忘れずに、

✓3食食事をとるようにする
✓水分補給、という観点からも食事のバランスを考えて食事をとる

といったことも意識して、
食事をとってみてください!


《参考文献》
・寺田新著 スポーツ栄養学(東京大学出版会)
・調理のためのベーシックデータ 第6版(女子栄養大学出版部)
・八訂 食品成分表2021 (女子栄養大学出版部)


(更新日;2023年6月6日(火))


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