【コラム】持久力を高めるために!! 【糖質】の枯渇を防ぐために! 走りながら補給する糖質量の目安とは!?
こんにちは☺
Japanマラソンクラブスタッフ・管理栄養士の深野です。
前回は、
今回は、ランニングを行う際の糖質補給のポイントについて
ご紹介しました。
今回は特にレース前~レース中(長時間に渡るトレーニングも含めて)の糖質補給のポイントについて
お話していきたいと思います!
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スタミナアップ・持久力アップのカギは
“【糖質】の枯渇をいかに防ぐか”
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マラソンのように、長時間体を動かし続けると
大量にエネルギーを消費します。
からだにたくさん蓄えている体脂肪も、
糖質が枯渇すると、効率よくエネルギーに変換することができず
長い時間体を動かし続けることも難しくなってしまいます。
スタミナアップ・持久力アップのカギは、
体の中に蓄えている糖質をいかに「枯渇」させないか?
がカギを握ります。
糖質の枯渇を防ぐためには、
▶事前に体に糖質しっかりと蓄えてトレーニングや大会に臨むこと
▶トレーニング中やレース中など“走りながら補給”していくこと
▶トレーニング後やレース後に使った糖質を素早く回復させること
が大切になっていきます。
もちろん、このほかにも糖質を節約する…等
さまざまなポイントはあるのですが、また別の機会にお話ししていきます!
前回は
事前に糖質をしっかりと蓄えてトレーニングや大会に臨むこと
という点から、糖質補給についてお話しましたが、
(前回のコラムはこちら⇒★★★)
今回は主にレース当日(前日~当日)(長時間に渡るトレーニング(前日~当日)の糖質補給を含めて)
お話していきたいと思います。
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普段のトレーニングやレース前
体に糖質を蓄えるために必要な糖質量はどれくらい?
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糖質の補給については、
前回のコラムでもご紹介しているように、
トレーニング量と、糖質摂取の目安量として
ガイドラインに示されています。
トレーニング量 | 状況 | 糖質摂取の目安量(1日あたり) |
軽い・少ない | 低強度の運動や技術練習 | 3~5g/体重1㎏あたり |
適度 | 1日1時間程度の適度な運動 | 5~7g/体重1㎏あたり |
多い | 1日に1~3時間程度の中~高強度の持久的な運動 | 6~10g/体重1㎏あたり |
とても多い | 1日に少なくとも4~5時間からそれ以上の中~高強度の運動 | 8~12g/体重1㎏あたり |
※例えば、体重60㎏の人の場合
大分幅があるのですが、1日に必要な糖質量が体重1㎏あたり7~12gというのは、
420~720gの糖質が必要な計算に。
ごはん茶碗1杯(150g)に含まれる糖質の量は53.4g
ごはん茶碗1杯(200g)の場合、糖質の量は71.2gですので、
その他の野菜や果物などから糖質を摂取するとしても、
メインとなる主食として少なくともごはん茶碗1杯を200gにして3~4杯は最低限必要な量になります。
その他に、ランニング前の補食としておにぎりやエネルギーゼリーなど糖質を多く含むものをとったり、
ランニング中の糖質補給などから補っていきます。
さらに、レースに向けた糖質補給の目安や、
長時間のトレーニング中/レース中の糖質の補給量の目安も
同様にガイドラインが示されています。
トレーニング量 | 状況 | 糖質摂取の目安量 |
一般的なエネルギー補給 | 90分未満の試合への準備 | 1日のエネルギー源の必要量として 7~12g/体重1㎏あたり |
グリコーゲンローディング(★) | 90分を超える持続的/断続的な運動への準備 | 36~48時間に 10~12g/体重1㎏ (8~12g/体重1㎏とするものも) |
※Burke LM,Hawley JA,Wong SH,Jeukendrup AE.Carbohydrates for training and competition.J Sports Scis.2011;29(suppl1):20より作表
表の中にあるグリコーゲンローディングとは、
試合の前にグリコーゲンの貯蔵量を増やして持久力を高めるための食事法、として
もしかしたら耳にしたことのある方もいらっしゃるかもしれません^^
筋肉中のグリコーゲン量を通常の約2~3倍に、肝臓のグリコーゲン量を約2倍に増加させることのできる食事の方法、とされています。
ただ、グリコーゲンローディング(カーボローディングも同義)だ!
といって、好きなものを食べ放題!?と勘違いしている方もいらっしゃるかも^^;
グリコーゲンローディングとは、
その中でも古典法、改良法、最新法などさまざまな方法があります。
★改良法)
・運動量を試合の1週間前~3日前まで少なくする⇒2日前からはさらに運動量を少なくする/休息
・試合の4日前までは通常通りの食事⇒試合の3日前からは高糖質食にする(※)
★最新法)
・試合2日前の夕食から普通食を高糖質食(※)に切り替える
※高糖質食とは…具体的には、1日の総エネルギー摂取量の70%以上を糖質から摂取、たんぱく質量は維持、脂質量は15%以下に調整
ただし、糖質は1gあたり3gの水分がくっついていることから、
グリコーゲンローディングを実施することによって体重が増加すること。
レース前はトレーニング量も通常に比べて減らしている場合が多く、“とりすぎ”になってしまう場合もあること。
(体重が過度に増加してしまう)
また、レース前の緊張などもあいまって、消化・吸収の力が普段よりも低下していると、消化不良を起こすこともあること…
なども考えると、
レース前“だけ”に取り組むのではなく、
30キロ走や、本命ではないレースなどで
実際にレース前に取り入れてみて、
自分自身にあっているか?などの事前に確認しておくことは必須です。
(目標としている大会で、“初めて”取り入れることのないように💦)
また、特にフルマラソンでは4時間以上かけてゴールする場合は、
グリコーゲンローディングといった特別な食事法に取り組むよりも、
普段のトレーニングから食事で糖質をしっかり補給する習慣をつけたうえで
“走りながら糖質を補給していく”方法に重点をおくほうがよいかもしれません。
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レース中や長時間のトレーニング時
走りながら補給する
糖質量の目安はどれくらい??
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レース中、また長時間に渡るトレーニング時に必要な糖質量を示したガイドラインがこちらです。
トレーニング量 | 状況 | 糖質摂取の目安量 |
レース前の補給 | 試合前に動く少なくとも60分前かそれ以上前 | 運動の1~4時間前に 1~4g/体重1㎏あたり |
短い運動中 | 45分未満 | 必要なし |
持続的な 高強度運動中 |
45~75分 | マウスリンクを含む少量 |
動いたり止まったりを繰り返すスポーツを含む持久性運動中 |
1~2.5時間 | 1時間あたり30~60g |
超持久性運動中 |
少なくとも2.5~3時間かそれ以上 | 1時間あたり90gが上限 |
※Burke LM,Hawley JA,Wong SH,Jeukendrup AE.Carbohydrates for training and competition.J Sports Scis.2011;29(suppl1):20より作表
★レース前
レース前に通常の食事をとったうえ(3~4時間前)で
例えば体重60㎏の方の場合、60~240gの糖質を摂取する場合
朝食の量などにもよりますが目安として…
※2時間前までならおにぎりや蒸しパンなどから
おにぎり1個 糖質量約30~40g
蒸しパン1個 糖質量約40g
バナナ1本 糖質量約20g
※1時間前ならエネルギーゼリーやエネルギージェル、スポーツドリンクなどから
エネルギーゼリー1個 糖質量約40~50g
エネルギージェル1個 糖質量約20~30g
スポーツドリンク1本(500ml、糖質量4~8%の場合) 糖質量20~40g
一度に大量に摂取する、というよりは水分補給も合わせて行うスポーツドリンクからの補給も含めて
こまめに摂取していくのがおすすめです。
★レース中(普段のトレーニングも含めて)
走りながら糖質補給が必要になるのは、
1時間以上体を動かし続ける運動を行う場合。
(※表にあるマウスリンクとは、糖質を含むスポーツドリンクなどで口をゆすぐこと)
1時間以上、2.5時間のレースやトレーニングの場合で
1時間あたり30~60g、
フルマラソン等2.5時間以上か3時間以上にわたるレースやトレーニングの場合は1時間90gが上限、とされています。
これはいったいどれくらいの量をとれば…??
と思われる方も多くいらっしゃると思いますが、
1時間に30~60g…というのは、
こまめにスポーツドリンクで水分と合わせて糖質補給ができていればクリアできる量でもあります。
(糖質の濃度が4~8%のもの:【例】ポカリスエットやアクエリアスなど)
スポーツドリンクの甘さが苦手で毎回スポーツドリンクだと…という方や、
糖質濃度が低めの(水分補給を優先にした)スポーツドリンク(【例】アミノバイタルやMEDALISTクエン酸コンク等)が補給のメインとなっている場合
また、フルマラソンなど2.5時間以上体を動かし続けていく場合は、
60分(~90分)に1本を目安に
エネルギージェル(糖質量30g前後…だいたいエネルギージェルの糖質量は1袋あたりこれくらいの量になっていることが多いです。)を摂取していくことを基本にして補給食の計画をたてていくとよいと思います。
※消化・吸収の力には個人差もあります。どれくらいの量を、どれくらいのタイミングで…というところにも差があります。
また、補給食の味、食べやすさ、かさばり感、食べた後の体調なども併せて事前に確認し、自分にあったものを見つけておくと大会当日に安心です。
大会前に実践する30キロ走など
是非長い距離・長い時間を走る練習の中で、大会当日をシミュレーションして、
ご自身の補給食計画を少しずつ立てていくようにしてみてください!
《参考文献》
・鈴木志保子著 理論と実践 スポーツ栄養学(日本文芸社)
・上西一弘著 女子栄養大学のスポーツ栄養教室(女子栄養大学出版部)
・寺田新著 スポーツ栄養学(東京大学出版部)
・石川三知著 スポーツ選手のための食事400レシピ(Gakken)
・下村吉治著 スポーツと健康の栄養学(NAP Limited)
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!会員さま限定価格で販売中!
1セット 1,800円(税込み)
(セット内容)
・エネルギージェル 3本
・塩ジェル 1本
・アミノダイレクト5500 3本
・スーパーMEDALIST9000 1本
・MEDALIST(クエン酸)ブドウ味 1本
完走セットのご購入・詳細
今回コラムでもご紹介した糖質補給におすすめなのが、
マラソン完走セット(補給食スペシャル)の中にも入っている
MEDALISTのエネルギージェル。
写真はリンゴとはちみつ味ですが、
このほかに
グレープフルーツ×はちみつ
ぶどう×はちみつ
コーヒー×はちみつ
と4種類の味があります。
エネルギージェルの中でも、
自然な味で、飲みやすく私自身もお気に入りの補給食のひとつです。
気になる成分は…(ブドウ×はちみつ味の場合)
1個あたり、炭水化物(糖質)26.3g。
フルマラソンの場合は、
スポーツドリンクからの補給(水分+糖質)と合わせて、
目安として60分~90分に1本の補給を行っていくのがおすすめです。
是非、30キロ走などの長時間のトレーニングの際に、
実際に試してみてください!
(更新日;2023年9月5日(火))
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