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【コラム】ランナーにも重要! 体づくり・体の機能を維持するために重要な“たんぱく質” 

こんにちは☺

Japanマラソンクラブスタッフ・管理栄養士の深野です。

前回は、
今回は特にレース前~レース中(長時間に渡るトレーニングも含めて)の糖質補給のポイントについて
お話しました!


今回からは、体づくりや体の機能を整えるのに重要な“たんぱく質”についてのお話です。
ランナーとして、食事からとるたんぱく質の重要性はもちろん!
どうして走っているときに“アミノ酸”(特にBCAA)をとる必要があるのか?
といった理解が深まるはずです!!
では早速スタートしていきましょう!

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体づくりと体の機能を維持するために重要な“たんぱく質”
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私たちの体は、約20%がタンパク質でできています。
※体の約60%は水分からでできているので、水分を除いた残りの約半分がタンパク質、ということに。

筋肉はもちろん!
血管や内臓、皮膚、髪の毛、つめなどの大部分がタンパク質からできています。

また、体の機能を調整する“ホルモン”や、
消化などをコントロールする“酵素”
免疫をになう“抗体”や、
脳の情報伝達物質などもたんぱく質から作られており、
体の機能の調整に欠かせない役割を持っています。


体づくりはもちろん!体の機能を維持するためにも
たんぱく質は重要な栄養素なのです。

たんぱく質は「アミノ酸」がつながってできたもの。
食事からとったたんぱく質は、
体の中でいったん「アミノ酸」まで分解されて、
からだのなかの各部位で、機能するタンパク質として再合成されます。

私たちの体を作るタンパク質は10万種類!
そのたんぱく質をつくるアミノ酸は、わずか「20種類」
20種類のアミノ酸の組み合わせで、
機能の異なる10万種類ものタンパク質がからだの中では合成されています。

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たんぱく質は貯蔵の形がない・・・?!
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三大栄養素である糖質・脂質・たんぱく質は
栄養素のなかでも、特にからだを動かすエネルギー源となる栄養素。
“エネルギー産生栄養素”とも呼ばれます。

糖質は筋肉や肝臓のなかに「グリコーゲン」として。
脂質は「体脂肪」として蓄えておくことができますが。
たんぱく質は貯蔵の形をもたず
常に食事から摂取し続ける必要があります。


例えば体重60㎏の成人の場合、
1日の180gのたんぱく質が分解され
“アミノ酸プール”という全身の血液や筋肉にぷかぷか浮いたような形で存在しています。
食事で摂取したたんぱく質も分解されて、アミノ酸として吸収された後“アミノ酸プール”へ。

“アミノ酸プール”の一部をつかって、
分解されたものと同じ量(180g)の新しいタンパク質を合成しています。

一見私たちの体は毎日変わらず・同じように見えますが、
体の内側では絶えずその中身は合成と分解を繰り返して絶えず入れ替わっています。

合成と分解は1日の中でダイナミックに行われていて、
食事などから「たんぱく質」を摂取することで、タンパク質は合成の方向に向かって
空腹状態などで、タンパク質は分解の方向に向かいます。

合成と分解がほぼ同じであることで、見かけ上は私たちの体は変わらずに“維持されている”ようにみえるのです。


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たんぱく質はどれくらい必要なの??
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1日に必要なたんぱく質は、
食事摂取基準2020によると、1日の推奨量は
✓18歳以上の男性で1日に65g(65歳以上で60g/日)
✓18歳以上の女性で1日に50g
とされています。


例えば…
1日に肉・魚をそれぞれ100gほど、卵1個
牛乳コップ1杯、納豆1/2パック
ごはんを毎食1膳ずつ…
食べていれば、67gのたんぱく質の摂取になります。


《たんぱく質の摂取源の例》
肉や魚100g前後…15~20gのたんぱく質
たまご1個…約8g
牛乳/豆乳コップ1杯…約7g
豆腐1/2丁…約10g
納豆1パック…約8g
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※主食などの穀類にもたんぱく質は含まれています。
ごはん1杯(150g)…約4g
食パン1枚(6枚切り)…約6g



もちろん…たんぱく質の必要量は
年齢や体格、生活活動量や運動習慣などによっても異なります。

特に、ランナーの場合…
ランニングのように長時間に渡るスポーツの際
運動時間が長くなると、エネルギーとして利用し減少した糖質を補うために
筋肉のタンパク質を分解してアミノ酸を取り出し(BCAA)
エネルギーとして利用するようになります。

体づくりや体の機能を維持するために必要な量と合わせて、
運動時にエネルギーとして利用されたタンパク質をリカバリーするための必要量
また、運動の刺激に対して筋肉の合成をするために必要なたんぱく質の分、
特に運動していない人よりも多くのたんぱく質が必要になります。

身体活動別に示された体重1㎏あたりのたんぱく質摂取量は下記のとおりです。

身体活動状況 体重1㎏あたりのたんぱく質摂取量(g)
軽度の運動をしている人 0.8~1.0
高齢期で軽度の運動をしている人 1.0~1.2
中強度の運動をしている人 1.0~1.5
高強度の運動をしている人 1.5~2.0
持久系のトレーニングをしている人 1.2~1.4
レジスタンストレーニング(筋トレ)をしている人 1.6~1.7


例えば、体重60㎏の人の場合で、身体活動状況を「持久系のトレーニング」に当てはめると
1日に必要なたんぱく質量は72~84gとなります。

この数年は【たんぱく質】の重要性について
テレビや雑誌などのメディアやインターネットでもよく目にしたり耳にする機会も
増えてきて、「たんぱく質」を意識して食事からとられている方も多いかもしれません。
もちろん、重要なことに違いはないのですが、
ただやみくもに摂取するのではなく、
年齢や体格はもちろん、生活活動も含めて“身体活動量”によって必要量は異なります。

筋肉はもちろん!
体を作るためにも、体の機能を維持するためにも必須のたんぱく質。
不足はもちろん避けたいですが
“過剰な”摂取にも要注意。
今の自分に必要な量をまずは確認して、適切に摂取していくことが大切です。

次回は1日の食事の中でのたんぱく質のとり方について
具体的にお話していきます!

 



《参考文献》
・鈴木志保子著 理論と実践スポーツ栄養学(日本文芸社)
・上西一弘著 新しいタンパク質の教科書(池田書店)
・藤田聡著 眠れなくなるほど面白いたんぱく質の話(日本文芸社)
・寺田新著 スポーツ栄養学 科学の基礎から「なぜ?」にこたえる」(東京大学出版会)



(更新日;2023年9月5日(火))


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