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【コラム】暑い夏を乗り切る!水分補給のコツ!(ランニング時の水分補給)

こんにちは☺

Japanマラソンクラブスタッフ・管理栄養士の深野です。

前回は、暑い夏を乗り切るために!
というテーマで
これから迎える暑い夏に向けて、
暑い夏を乗り切る!水分補給のコツ!
をお伝えしています。

前回・前々回と…
暑い夏を乗り切る!水分補給のコツ!(食事編)
暑い夏を乗り切る!水分補給のコツ!(日常生活での水分補給編)


ランニングと水分補給、というと
(当然なのですが^^;)
ランニング中や、ランニングの前後にばかり目が向きがちな
水分補給の中で、意外と見落としがちな
“食事”からの水分補給のコツをまずはご紹介しました。

※※これからの季節はこちらの記事も参考に※※
身体を冷やす3つのタイミングと、身体を適切に冷やす方法

今回は、ようやく!!
ランニング時の水分補給についてのお話です!


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汗をかくから
長い時間走ることができる!
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他の動物と異なり、
人間は、汗をかくことで“体温調節”を行うことができるので
長く走ることができます。

暑い日に玄関先に打ち水をするのと同様に、
汗が蒸発するときに皮膚の表面から気化熱を奪って体温を下げてくれます。

汗は血液などを原料として作られます。
成分の99%は水分ですが、電解質や有機物も含まれています。
大量に汗をかくと、水分だけでなくナトリウムなどのミネラルも失われていきます。


ランニング時には、失われた水分だけでなく、
電解質(塩分)も取り戻す必要があります。

適切な水分やミネラルの補給ができないと、
汗をかく、という体温調節機能がうまく働かないだけでなく

栄養素や酸素の運搬、老廃物の排出がうまくできない
エネルギーをうまく作り出すことができない…など

運動のパフォーマンスの低下はもちろん…熱中症の原因にもなってしまいます。

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ランニング中の脱水は体重の2%以内に!!
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夏の暑い日に走ると、
Tシャツをしぼれるくらいの量の汗をかくことも
珍しいことではないですよね^^;
(汗がひいた後に、塩の結晶がボロボロとこぼれおちることも…^^;)

運動中の発汗量は1時間に2リットル!!
にも及ぶこともあります。


体重の1%の脱水につき、深部体温は約0.3℃上昇、心拍数も約10拍/分増加するといわれています。
深部体温が40℃を超えると運動を続けることが難しくなります。
(心拍数が増加する、ということは同じペースで走っていてもきつく感じる、ということ。)

特に夏などの暑熱環境下での体重の2%以上の脱水は、
運動のパフォーマンスの低下がみられるボーダーライン。
(強い渇き、めまい、吐き気、ぼんやりする…等、体調へのマイナスの影響も大きいです。)

運動中に失われた水分を適切に補給して、
脱水量を2%以内におさえることがひとつの目標になります。

※脱水とは逆に、体重減少量以上に過剰な水をとりすぎることによるデメリットもあります。
体格(体が大きいほうが発汗量も多い)、天候・気象条件、運動強度などによっても異なるので、
個人・環境・運動強度などによって異なってくる、ということも忘れずに!


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運動時の発汗量ってどれくらい??
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なかなか測定する機会も少ないと思いますが、
走っているときの汗の量って、どれくらいなのでしょうか??

ランニング前後の体重をはかることで
1時間あたりの発汗量をはかることができます!!

▶走る前の体重    ㎏
▶走った後の体重    ㎏
▶飲んだ水の量    ℓ(㎏)

======
1時間あたりの発汗量=
(走る前の体重(㎏)-走った後の体重(㎏)+飲水量(ℓ(㎏))/運動時間(時間)
======

もちろん、季節によって、またその日の気温や湿度、ご自身の体調などにも左右されますので、
毎回同じ、とはいきませんが、
ある程度測っておく習慣があると、だいたいこれくらいの量かな?と予測することもできます。

またランニング用の時計などで、発汗量の目安などが表記されるものも。
あくまで参考数値にはなりますが、発汗量の目安としては活用できるかと思います。

※私のGarminで測定したデータを参考までに^^
同じ距離、同じ運動消費量でも気温や湿度が違うことで
発汗量は(推定値でも)、3倍近くになっていることがわかります。

《2月のデータ》
7.9㎞を走ったとき
●気温 約10℃(過去の天気予報のデータより)
●推定発汗量 298ml


《7月のデータ》
7.5㎞を走ったとき
●気温 32℃(Garmin255Sで測定)
●推定発汗量 846ml




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走る時の水分補給の目安は?!
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ランニング時
水分補給量の目安とされているのは…

【運動前(30分~1時間前)】
250~500ml
(500mlのペットボトル半分~1本分)

【運動中】
1時間につき 500~1000ml
(500mlのペットボトル1~2本)
※特に気温の高いときには、15~20分を目安にこまめに給水のタイミングをとる
(“のどが渇いた~”というタイミングでは遅いので、のどが渇く前にこまめにとる)
※1回200~250mlを目安に1時間に2~4回に分けて補給していく
※個人差、気温・湿度、運動強度によっても異なってくるので、あくまでひとつの目安として、量は調整していく。


【運動後】
運動後1時間以内に
体重減少量分/もしくは2割程度プラスした量をこまめに補給していく。


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走る時の水分補給の成分や温度は?
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汗をかくことによって失われるのは水分だけでなく、
ミネラル(電解質…特にナトリウム)も失われてしまいます。

運動時の水分補給(特に夏の暑い日や、1時間以上運動を行う場合)では、
スポーツドリンクがおすすめです!!

《運動時の水分補給に適した組成》
〇糖質 3~8% (3~8g/100ml)
〇電解質(ナトリウム) 0.1~0.2%(40~80㎎/100ml)
※基本的には一般的なスポーツドリンクはこの組成で調整されていることが多い


※スポーツドリンクの成分表示でチェックしたい方は…

炭水化物⇒糖質 のこと。
4.7g/100㎎なので…⇒糖質4.7%

食円相当量⇒ナトリウム のこと。
0.1g/100㎎なので…⇒ナトリウム0.1%

成分表から組成をチェックすることもできます^^ゞ




また、運動時の水分補給に適した温度は5~15℃程度。
この温度の飲み物のほうが吸収速度が速いことがわかっています。
(特に夏の暑いときに行う運動時では、内側から体を冷やす役割もあります!)

《運動時の水分補給に適した温度》
〇5~15℃
※自動販売機(コールド)で購入するときの温度が約5℃。
 コンビニの冷蔵庫から購入するときの温度が約8~10℃。


夏の暑いとき…
外に飲み物をずっと置いておくとお湯のようになっていることもしばしば…^^;
特に1時間以上走るときは

周回できるようなコースであれば、
✓冷バックの中に入れて冷やしておく
✓スポーツドリンクOKの水筒に入れて冷えた状態で飲むようにする

周回コースでももちろんですが、
街中を走るような場合は、
途中で自動販売機やコンビニなどに立ち寄り
冷たい状態の飲み物を追加購入するのがおすすめです。








今回は運動中(前後も含めて)の水分補給についてご紹介しました。

水分補給量の目安も参考に…
ご自宅周辺で走るときなどに、発汗量を普段からチェックする習慣や、
発汗量の推定値をはかれるデバイスなどをお持ちであれば、合わせて目安にするなど
季節(気温や湿度など)や運動強度よる自分自身のだいたいの発汗量を知り、
自分に合わせた水分補給を行う習慣を身につけていきましょう^^!!




《参考文献》
・財団法人 日本体育協会 スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック
・HPSC 競技者のための暑熱対策ガイドブック
・寺田新著 スポーツ栄養学(東京大学出版会)






(更新日;2023年6月22日(木))


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